集中戦略
本日は集中戦略について勉強していきたいと思います。
集中戦略はポータが提唱した3つの基本戦略「コスト・リーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中戦略」のうちの1つで、経営資源を「特定セグメントに集中」する戦略です。
経営資源の大きい大企業は大きな投資をして「コスト・リーダシップ戦略」や「差別化戦略」で市場での優位性を築くことができますが、経営資源の少ない中小企業はこのような方法がとれません。したがって、少ない資源を特定の箇所に集中することで大企業と戦えるようにする必要があります。
(業績の良い中小企業はほとんどが集中戦略をとっているそうです。)
資源の投下先を特定のセグメントに絞ったうえで、競争優位の源泉を「独自性を持つこと」とする場合を「差別化集中戦略」、競争優位の源泉を「他社よりも低いコストを実現すること」とする場合を「コスト集中戦略」と言います。
特定のセグメントの切口としては、「製品・サービス」「顧客層」「エリア」などがあり、「製品・サービス」特化は、軽自動車に特化したスズキ、フライドチキンに特化したケンタッキー・フライド・チキン。「顧客層」特化は、主婦に特化したしまむら。
「エリア」特化は地域密着型のスーパーなどでしょうか。
自動車市場、ファーストフード市場、服飾市場、食品市場全体で見たときには、各分野のリーダ企業(トヨタ、マクドナルド、ユニクロ、イオン)に勝てていなくとも、戦う場所を絞ったときには、それぞれの企業は優位性を発揮しているのがイメージできるかと思います。
集中戦略のリスクですが、
・「コスト・リーダーシップ戦略」の企業とのコスト差が拡大し、集中の優位性が築けなくなる。
・絞り込んだセグメントの市場が縮小する。
などがあります。
対象セグメントを絞りすぎると市場が狭くなり、売上が見込めませんし、対象を広くすると大企業との対決になってしまうので、集中戦略においては、対象セグメントをどう定義するかがいちばん重要になるのではないでしょうか。