競争地位戦略_3

本日は競争地位戦略のフォロワー、ニッチャーの戦略について勉強していきたいと思います。

 

まずはフォロワーがとるべき戦略です。フォロワーは随行者、模倣者という意味の言葉です。随行は目上の人のお供をするという意味ですね。

この言葉のとおりフォロワーはリーダーを蹴落としてNo.1を狙うといった戦い方ではなく、リーダーに追随することで市場シェアを維持するという戦い方をします。「成長を目指す」ではなく「維持する」というところがいちばんの特徴でしょうか。

 

業界で2、3番手に位置する大企業のチャレンジーは、リーダーに挑戦するために新規商品の開発や品質の向上等をするため積極的な投資が必要となりますが、フォロワーは、リーダーやチャレンジャーの成功事例をあとからマネすることで、市場シェアを維持します。

具体的には流行の発端となる商品を開発するのではなく、流行となっている商品と似たものを安価に販売するなどの方法をとります。皆さんもホンモノは高いし、予約で品薄だし、仕方ないから似ているこれでとりあえずはいいかー。という気持ちで購入したものがあるのではないでしょうか。

すでに成功しているものをマネするので、市場投入時の販売予測も立ちやすく、開発費用が無駄になるというリスクが低くなります。また、そもそもマネなので研究開発にかける費用自体があまりかかりません。こういったメリットをいかして、ホンモノよりも低価格、低品質でも満足する顧客層を取り込んでいきます。

また、模倣品に独自のアイデアを追加することで新規顧客を獲得するという方法もありますが、やりすぎるとリーダーから直接対決を挑まれ、市場をつぶされてしまいますので、大きく成長を目指さないというのがポイントになります。

 

続いてはニッチャーの戦略です。ニッチは英語で隙間という意味です。

ニッチャーもフォロワーと同じく、業界上位の企業ほどの経営資源がありませんので、リーダーを蹴落としてNo.1を狙うといった戦い方ではなく、特定の領域に集中してそこでの高シェア率を獲得します。市場全体でのリーダーを目指すのではなく、小さな特定市場でのリーダーを目指すともいえるでしょうか。

 

一時期高級食パンブームがありましたが、まさにこれがニッチな市場で、高級食パン店は食品業界、パン業界、食パン業界でのリーダーを目指すのではなく、「高級な食パン」という分野においてのみリーダーを目指すという戦い方でした。

 

隙間ならどこでもいいというわけではなく、きちんとニーズがあり、かつ自社の資源がいかせるところ、また他の企業が参入しづらいところを選択する必要があります。高級食パンの火付け役「乃が美」が開店した当時は、高級食パン市場というものはこれまであまり注目されていませんでしたので、この特定市場で大きく成長することができたかと思いますが、そこに市場(チャンス)があると気づいた他の企業がこぞって高級食パン市場に参入した結果、どこでも高級食パンが手に入るようになり、市場は競争が激しくなりました。

 

他の企業に気づかれず、ひっそりと、または他の企業にまねできない技術を発展させるということが継続的にニッチャーとして利益を出し続けるためには必要なのではないでしょうか。