バリューチェーン分析
本日はバリューチェーン分析について勉強していきたいと思います。
バリューチェーン分析は、企業の活動を顧客に価値提供するための連鎖のようにとらえることによって企業の活動を分析し、弱み・強みを明らかにすることを目的としたフレームワークです。
事業活動を機能ごとに分解して、どの部分で価値(差別化や低コスト)が生み出されるのか、どの部分に強み・弱みがあるのかを分析します。 フレームワークとは大事な検討要素が漏れないように使うための単なる枠組みなので、大切なのはそれぞをどう分析するかの中身です。
企業によって価値提供を行う連鎖の形は異なりますが、一般的には
①購買物流
②製造
③出荷物流
④販売・マーケティング
⑤サービス
といった流れで顧客に価値を提供しています。これが企業の主活動で具体例にすると、
①肉と野菜を仕入れる
②冷凍餃子を製造する
③スーパーへ出荷する
④テレビ広告で宣伝する
⑤お客様からの問い合わせ窓口で対応する
といった感じでしょうか。
また、企業を運営していくうえでは、このような直接的な価値提供とは別に、全般管理、人事・労務管理や技術活動、資金等の調達活動、システム管理などの支援活動も必要になりますので、それぞれについて強み、弱み等を分析していきます。
強み・弱みは相対的な指標なので、自社について個人見解だけで決めるのではなく、競合の企業等と比較して強みなのか、弱みなのかを考えていく必要があります。また、分析するうえで大切な観点は企業の戦略を踏まえて行うことです。
差別化戦略(他の企業では実現できないことを目指していく)なのか、コストリーダーシップ戦略(コストを他社より抑えていく)なのかの基準をしっかりと持ったうえで強み、弱みを分析していく必要があります。
このように機能ごとに分けて分析し、強みを活かす、弱みを改善していくことでより強固に戦略を実行していくことができるようになります。
とにかく安く冷凍餃子を提供する!という企業が、製造(②)の部分でものすごく効率化をはかっていたとしても、スーパーへ物を出荷するときの配送費(③)でぼったくられていたり、テレビCMにお金をガンガンかけていたり(④)すると、他社よりも低価格での提供はできなくなります。
フレームワークでもれなくすべての工程が、コストリーダーシップ戦略とマッチした活動になっているかを確認をしていくことで、他社に対して強みを発揮していくことができるようになります。
また、他社から見えない部分で強みが作られてくると、模倣困難となり他企業の新規参入等が難しくなり市場を守っていくことができるようになってきます。
ファミリーレストランのサイゼリヤはコストリーダーシップ戦略をとっていますが、
①の仕入れのところで、大量仕入れによるコストダウンだけでなく、野菜の品種改良をして自社にとって最適な野菜の栽培をするというところまで手を伸ばしてコスト削減を図っています。
また、それぞれの店舗での調理時間を最低限にするため、食品の製造は工場で大量に効率的に行いコスト削減をしています。
また、これによって店舗のキッチンスペースを小さく、店舗に占める席数を最大化し、売上を伸ばすということまでしています。
さらにさらに、理系人材を多く育成、採用して日々効率化を図っているという徹底ぶり。ここまでされると、一般のレストランが価格で勝てる気はしません。
レストランが野菜の品種改良まで!という発想になったのはバリューチェーン分析をしたからなのかもしれません。